「死ぬ」と言う事。「生きる」意味。

今日は生憎の雨模様。だが、今は亡き我が親友である「師匠」ことY.T氏の為に天が涙を流してくれたんだと、僕はそう思っている。

昨日の記事を書いた後、師匠の通夜に出席した。彼の親族や家族の方々は暖かく迎えてくれたのだが、言葉を掛けたら起きるのでは無いかと思う位、安らかな顔をした彼の姿を目の当たりにして、涙を流さずにはいられなかった。

師匠の弟の話によれば、体が辛くて薬すら飲めないような状態で、必死になって薬を飲んで安堵した後に容態が変わったとの事らしい。

彼のこの安らかな顔は、最後まで「命」を諦めなかった男の顔なのだ。

立派だったと、心から思う。そして、そんな立派な男と友として共に居られた事を、心より誇りに思う。

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よく、好きなものになぞらえて「○○で死ねれば本望」と表現する人は多い。

僕の身の回りのバイク仲間でも「バイクで死ねれば本望」という人間は多かったし、好きなモノで死ねれば幸せだと考える人間は実際かなり多いと思う。

僕は道楽家ゆえ、そういう人の気持ちと言うのはよく判るしそう言った方々を責める事は出来ないが、ただ、それでも誤解されるのを覚悟で言わせて頂ければ、「好きなモノに殺されるのは不幸」なんじゃ無いかと思う。

無論、実際に好きな事やってて志半ばで突然命を失った方々を冒涜するつもりは毛頭無いし、そういった理由で大切なご家族を失ったご遺族の方々を冒涜するつもりも毛頭無い。と言うか、実際にそうなってしなった方々の気持ちを踏みにじる意味で言ってるわけでは無い。

僕が言いたいのは、「死んで本望と言うより、本当に自分が命を掛けてまで好きな事であるならば生きて最後までやり遂げよ」と言う事だ。

「死ねば本望」とカッコ付けて言うのは自由だが、実際に死んでしまったら何も出来なくなる。何もやり遂げられなくなる。その事の方が何倍も不幸だし、残された家族の方の悲しみだって深くなる。

だから僕は、かねてから「○○で死ねば本望」と言う言葉を使った事は一度たりとてないし、生前の師匠からも一度たりともその様な言葉を聞いた事がない。

そう、彼も判っていたのだ。「死ぬ」と言う事の意味が。

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生前、師匠の家に見舞いに行った時、病床の上で彼はこう言っていた事がある。

「よくよく考えたら、事故とかで突然死ぬより、限られた命の中で病気と戦って死ぬ方が幸せだ」と。

事故と言うのは突然やってくるもので、事故死した自身「死」と抗う事が出来ずに命を失う分無念だけど、死ぬかもしれない病気が発覚した場合はたとえ助かる確立は低くても、自身の「死」というものに立ち向かう事が出来る。

「死」に真っ向から立ち向かう。戦う。何と彼らしい言葉だろうか。

「自分はやりたい事があるから、まだここで死ぬわけにはいかない」

結局、彼は自分の病気に勝つ事は出来なかったが、最後の、その命の炎が尽きるその一瞬まで、戦い抜く事が出来た。好きな事を「やり遂げる」為に。大事な家族と一緒に生きる為に。

前述した言葉の意味から考えたら、戦い抜いたとは言え彼の死は結局は「不幸」なのかも知れない。
だけど、僕はこうと信じたい。「彼は死に立ち向かい、立派に最後まで生き抜いた」と。

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彼の死は僕にとって本当の「生きる意味」を教えてくれた気がする。

「生きる」と言うのは「最後までやり遂げる」という事。
最後まで自分が、笑う為に。大事な人たちと、共に笑う為に。

だから、自ら命を絶とうとしてる人に、僕は言いたい。
「どんな形であれ、命があると言う事はこの上ない幸せなんだ」と。

彼は生きたくても生きられなかった。誰よりも、生きる事の意味を知る彼が。
だから、僕は彼の分まで生きる。彼が出来なかった事を、果す為に。

彼は今の僕を形作ってくれた大切な「師匠」だから。だから、彼がこの世に残した想いは絶対、継いでみせる。

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今日の告別式で、師匠と最後のお別れをした。
師匠の乗った霊柩車を見送りながら、僕は心の中でこう彼に言った。

「今までありがとう。今度会う時までに、お前が友として自慢出来るような男になってやるからな」と。

この記事へのコメント

夏海
2008年05月25日 09:38
今このひとつ前の記事も合わせて読みました。
アタシはTAKA☆さんのお友達は幸せだったと思います。だってこれだけ自分の事を思ってくれる人がいたんだから。
残された家族や友人にとってはとても辛い事ですが
アタシ自身もTAKA☆さんと同じ経験をしてきてるので今は心の整理がつかずに後悔ばかり溢れてしまうと思いますが旅立った友人のためにも良い意味で過去に縛られずに前を向いてこれからの人生を歩んで欲しいってアタシは思います。
と、もっともわかってそうな事を書いているアタシですら丸6年経過した今でも心の整理がついたか?と聞かれると、それはなかなか難しい事です。
ただ、アタシは旦那が残してくれた「2つの大事な宝物」がいるからこの6年間を乗り越えられたと思います。TAKA☆さんにとってはバイクになるのかな・・・心の危機を救ってくれた友達のためにも無理のない程度に続けてくださいね。
もっとたくさん伝えたい事はあるんだけど、際限がなくなってしまうのでまたの機会にしておきますね。上手く言葉に出来なくってごめんなさい。
そして、最後になりますがお友達のご冥福をお祈りいたします。
2008年05月28日 20:21
夏海さん、励ましのコメントを下さってありがとうございます。なのにレスが遅くなって申し訳ありません。

夏海さんは愛する旦那さんを失ってますから、僕なんかよりも病気になってしまう位にずっと辛い思いをされていた分発言に重みがある様に感じます。
僕にとって夏海さんは会った事は無いのですが、同年代で楽しい事からヘビーな事も話し合える大切な友達だと思ってますので、これからも愛する旦那さんの為に前向きに幸せを掴んで頂けると嬉しいと思います。

正直言いますと・・・今でも喪失感は拭えないのですが、だからと言って悲しんだままで居ると優しい師匠の事だからあの世で安心出来ないと思うのですよ。

だから、今は元気に頑張ってます。ご安心下さい。

最も、トトロままさんの提案(で良いのかな?)もあるんですが、師匠の事についてもっと沢山の方々にこの大きな男を知って頂きたいと思いますんで、今後も度々彼の事を取り上げる事があると思います。

是非、夏海さんにも彼の事を知って頂きたいです。なので、今後の更新を楽しみにして頂けたら幸いです。

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